オディロン・ルドン(Odilon
Redon)
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1840年 ボルドー(仏) ― 1916年 パリ(仏)没 |
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【略歴】 ルドンは一つ目巨人(キュクロプス)や気球に乗った巨大眼球など、眼球のイメージを数多く描いた。 澁澤龍彦は『幻想の肖像』で、神経症の子供は幼児期に両親の性行為を目撃した記憶が原光景となり、禁じられた光景を見たという罪悪感から自分たちが逆に眼球から監視されているのではないかと不安を抱く、という精神分析学の言説を引き、「一つ眼巨人とは『原光景』の記憶に悩む者の恐怖と不安と、それに後悔の感情との象徴的なイメージではないか」と述べている。 → 『幻想の肖像』 また、『幻想の彼方へ』所収の「ルドンの黒」では、 「ルドンの世界は、曖昧なものを剥ぎ取った、原型的な世界といってもよいほどで、顕微鏡で眺めた極微の世界のように、動物とも植物とも知れない、イメージの萌芽のようなものが無数に漂っている、原始の夜のような世界なのだ」と語っている。 ルドンの作品は、日本でルドンの有数なコレクションをもつ岐阜県美術館で観ることができる。 【ルドンに関する図書】 『オディロン・ルドン―光を孕む種子』 本江邦夫(著) みすず書房 (2003/07) |
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